川崎学園 創立50周年記念誌
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―設立の想い―良医を育てるために人間教育と勉学と体づくりを織り交ぜた特色ある教育を行う130 1970(昭和45)年、戦後初の新設医科大学として設置された川崎医科大学の開学と同時に開校した川崎医科大学附属高等学校は、「陶冶性の豊かな高校時代に、理想的な全人教育を施し、川崎医科大学の中核となるべき青年を育成したい」という創設者川﨑祐宣の理想のもとに、日本で唯一の“医科大学附属”の高等学校として誕生した。 良医を育てるため、人生において最も多情多感で、人格形成が行われるのに最適な高校時代に、特色ある教育を行いたいという強い思いで設置に踏み切った。 「川崎学園創立10周年誌」には、教育方針の特色として、「(1)全寮制、(2)豊かな人間性を育てるカリキュラムの活用、(3)少人数教育、(4)施設・設備の活用」と書かれており、9年一貫で良医を育てる特色を備えた学校であった。そして初代校長および教職員は、全国の高等学校の先頭に立って「新しい高校教育のパイオニアになろう」という意気込みで取り組んだ。 また祐宣は全寮制の実施を主張し譲らなかったという。寮生活には人間形成力があり、初めて親元を離れた生徒たちが自立心を育み、他人と暮らすことによって人間的に幅を持ち、独立心も強くなるとの思いがあった。50年の時を経て、大きく世の中は変わり、寮の施設・設備もリニューアルされたが、当時の思いはそのまま受け継がれ、現代の附属高校生の人間形成に大いに役立っている。 現在、豊かな人間性と思いやりの心を持った“真の医師”を育成するための多彩でユニークな教育プログラムを実施することにより、生徒たちを良医の道へと導き、創設者の思い描いた夢を実現しようとしている。人ひと間をつくる体をつくる学問をきわめる建学の理念

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