川崎学園 創立50周年記念誌
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 152「扶ふ氏し医い戒かい之の略りゃく」額医学生への訓戒医科大学 学習の手引き 幕末の大阪で私塾「適塾」を開き、多くの人材を輩出し、日本近代医学の祖と言われた蘭学者・緒方洪庵(岡山市足守出身)の『扶氏医戒之略』に、「名利安逸を思わず己を捨てて唯人を救わんことを希うべし(楽な生活をしようとか、名誉や利益を得ようと考えずに、ひたすら自分を犠牲にして、人を救うことのみを願うべきである)」という言葉があります。 川﨑祐宣先生は、医の原点に立ち返った医学教育確立のため、全国に先がけて私立の新設医科大学を設置し、何よりも人間性を重視し、「人ひ間とをつくる」ことを根底とした医学教育を進めました。建学の理念「人ひ間とをつくる 体をつくる 医学をきわめる」には、『扶氏医戒之略』と重なるものがあります。 『扶氏医戒之略』は、「学生たちがすぐ読めるように」との祐宣先生の思いにより、額におさめられ、現在も医科大学図書館と附属高校図書室に掲げられています。また医科大学では、新入生オリエンテーションガイド、学習の手引きに掲載されており、医の道を志す学生の戒めとなっています。医科大学(図書館)附属高校(図書室)Kawasaki Gakuen Episodes

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