川崎学園 創立50周年記念誌
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Ⅳ 地域とともに、世界とともに171産学官連携の展示会「KMSメディカルアーク」の開催2.地域とつながる                先天性胸郭変形(漏斗胸)矯正用装着具の「スタビライザー」の改良品の開発(特許承認後、診療現場で使用開始)。医科大学企業との共同研究により「標準型車椅子用テーブル」(実用新案登録出願)を開発。実施許諾契約により実施料収入を得て、医療福祉大学として初めて知的財産権の技術移転を行った。医療福祉大学看護部と医療現場ニーズの企業とのマッチングにより共同開発された「エアマットレス用シーツ」(実用新案登録および意匠登録出願)が販売に向けて準備中。附属病院「ココリン」の由来「cocoro+ring」 = 「ココロをつなぐ輪」かわいらしいネーミングと「サンラヴィアン」の赤・「川崎医科大学附属病院」の青を使用したロゴに、「おいしさとともに、みんなに親しんでもらいたい」という想いを込めた。(2017〜) 附属病院栄養部は、洋菓子メーカー「サンラヴィアン」(岡山県里庄町)とともに、病気や健康状態により食事栄養管理が必要な人へ向けたスイーツを共同開発している。 「患者さんが病気になる前に食べていたものをお届けしたい」という思いで、管理栄養士が2009年から6年にわたり研究を重ねて、商品を開発した。2017年には、健康に配慮したスイーツの新ブランド「ココリン」を立ち上げ、糖尿病患者や食欲が低下した高齢者、ダイエット志向の人など、さまざまな対象者に向けて「ベルギーワッフル」をはじめ全13種類の商品を販売。すべての人に優しく、おいしく楽しく食べることができる、栄養学的に工夫された洋菓子の提供を目指して、現在も商品の改良や新商品の開発を続けている。 近年、医科大学、医療福祉大学、医療短期大学および附属病院を中心として、研究活動の成果を社会へ還元する産学連携活動に力を入れている。2014年度から知的財産に関する学園内の基盤づくりに着手し、産学連携知的財産アドバイザーを配置。さらに知的財産の管理や活用についての体制も構築するなど、段階的に学園内の体制を整えてきている。各施設においては研究者シーズの事業化に向けた企業とのマッチングおよび共同研究開発や、医療現場ニーズの企業とのマッチングなど、産学連携活動の中でも学園の強みである医療関係分野の研究開発に力を入れ、成果の社会実装を目指している。共同研究や受託研究等新規契約件数についても年々増加傾向となっている。 医学系産学連携、特に医工連携を推進することを目的として、本学園における産学官連携の展示会とも言うべき「KMSメディカルアーク」を2017年から毎年開催。学園内外の大学研究者や医療スタッフによる研究成果や医療系用品のニーズの紹介と共に、県内外の医療機器関連メーカー等とのマッチングを実施。本マッチングにより、企業とアカデミア双方が共同研究開発に合意したものについて、試作品を作成し実用化を目指す機会となっている。参加者・出展者は、年々増加しており、500人を超えている(2019年現在)。すべての人に食べる喜びを ― 附属病院栄養部と洋菓子メーカー「サンラヴィアン」とのスイーツ共同開発― 具体的な成果(主な事例)産学連携活動の推進 ―学園における産学連携の動き―

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