川崎学園 創立50周年記念誌
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川﨑祐宣記念特別奨学基金Ⅳ 地域とともに、世界とともに175オックスフォード大学と川崎学園との交流は、1983年11月に日英医学教育会議で訪日していたLord Walton of Detchant氏(第二代グリーンカレッジ学長。当時はGMC会長)が川崎学園を表敬訪問し、明德学園長との個人的親交が生まれたことから始まった。学園と中国との交流の歴史は長く、祐宣の思いを今も受け継いでいる。カナダやオーストラリアの大学では語学の他に、生活習慣や文化の違いを体験する。 川崎医科大学創立30周年を記念し、意欲を持った若手研究者の能力向上と、国内外の大学または学術研究機関における学術調査や研究活動等の一層の振興を図ること、そしてそれらを将来本学の発展に寄与することを目的として、2001年に設立された。研修計画に応じて一人当たり最高500万円まで(国外2年間の場合)が助成され、研修終了後は本学へ戻ることが前提となっている。これまでに延べ30人以上がアメリカやイギリスなど主に英語圏の大学や研究機関で研究活動に取り組み、さまざまな刺激を受け、新たな発想などを身につけ、研修終了後の本学での業務に還元している。  直接アメリカの各大学を訪れてみて、予想以上の医学教育の改革が行われつつあるのを見聞きし、驚き、かつ希望と勇気を覚え、身の引き締まる思いをした。  ことに、私自身今まで自分の頭の中に描いていた医学教育の理念とか方法が、幾つかの新しい大学では既に実施されつつあり、しかも懸命の努力の払われている姿を、じかにこの目で見ることができたことは大きな収穫であり感動であった。 ~中 略~  教育方法の最重点として、学生が自ら進んで勉強せざるを得ないようなさまざまの方法を、それぞれの教師のくふうや努力によって改善するというところに置かれている。 ~中 略~  また、新しい医学教育が成功するか否かは、全体のチームワークが如何にとれているかにかかっていることも深く考えさせられた。  私が、特に関心を深くしたことのひとつに、アメリカの大学の一部に、人間教育が取り入られつつあることである。Behavioral Scienceという名称のもとに、宗教・社会・倫理・環境その他医師という聖職に必要な、いわゆる医道につながる新しい教育分野が医学教育の中でも開拓されんとしている。 川崎学園創立十年誌掲載『米国医科大学教育視察報告書・序文 ―昭和47年9月同勢7名―』より抜粋 イギリス・オックスフォード大学との交流中国(上海)との交流各国での研修GTC教員来訪川﨑明德理事長(当時)名誉称号受賞祝賀会(2008年オックスフォード大学グリーンカレッジ) 川崎学園との長きにわたる交流を記念して、上海中医薬大学が川﨑祐宣の胸像を建立上海健康医学院師生訪問団が来訪現代医学教育博物館見学GTCでの教員研修ヴィクトリア大学語学研修(カナダ)書道で現地学生と交流(オーストラリア)現地学生との交流会(上海研修)上海中医薬大学内の川﨑祐宣像と研修学生上海中医薬大学学生と一緒に曙光病院見学創設者川﨑祐宣の言葉

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