川崎学園 創立50周年記念誌
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179 川崎医科大学附属病院は、発災直後から院内災害対策本部・DMAT本部を立ち上げ、総力を挙げて災害時医療支援を行った。また、県南西部DMAT活動拠点本部に指定され県内外からのDMATチーム受け入れや、院内ではスタッフを増員し、救出された被災者や避難所からの患者搬送を受け入れた。その後、各種団体の支援活動調整のため倉敷市保健所に本部機能を集約することとなり、当院から派遣したDMAT隊員が中心となって倉敷地域災害保健復興連絡会議(KuraDRO)事務局の統括を行った。 そして、岡山県の医療救護班、医師会のJMATおかやま等にもスタッフを派遣して避難所での医療活動を行い、発災から7月末までの間、院外での活動に携わった当院スタッフは延べ128人に上った。各診療科・所属部門の枠を超えて病院一丸となり、協力体制のもと、災害拠点病院として地域医療復興のための継続的な支援を行った。 総合医療センターでは、総社市の孤立した特別養護老人ホームから重症者の搬送受け入れの他、岡山県看護協会災害支援ナースによる避難所での支援活動や職域団体からの派遣要請に基づくボランティア活動を延べ52人が行った。7月14日(土)・21日(土)に学生・教職員延べ50人が学園のマイクロバスで被災地真備町へ出向き、復興支援活動を行った。 川崎学園の各校の学生たちは、日ごろから日本各地の災害復興支援活動に参加している。西日本豪雨災害でも、医療福祉大学ボランティアセンターの主導により、学園の学生が合同で現地ボランティア活動を行い、その行動力と実力を十二分に発揮。災害発生直後の7月8日(日)から倉敷市や総社市社会福祉協議会と連絡を取り、各地の災害ボランティアセンターの活動にも協力した。 また、個人、サークル、学科、ゼミを挙げて、多くの学生・教職員が関連施設や団体からの要請によるボランティア活動、各避難場所での支援活動などに参加した。災害医療支援活動 ―被災地域の災害拠点病院として―ボランティア活動 7月7日院内災害対策本部、院内DMAT本部 立ち上げ附属病院が県南西部DMAT活動拠点本部に指定真備地区から防災ヘリで搬送された患者16人を受け入れ8日附属病院からマイクロバス2台で避難所を巡回まび記念病院からの救助者を含め31人を附属病院へ搬送総合医療センターは総社市の特別養護老人ホームの重症者15人を搬送9日 倉敷市保健所内に倉敷地域災害保健復興連絡会議(KuraDRO)設置11日県南西部DMAT活動拠点本部解散11日~18日医療救護班を避難所へ派遣(附属病院がDVT予防・発見チームを指揮)23日備中保健所内に県南西部災害保健医療活動調整本部開設KuraDRO活動終了24日~31日JMATおかやまとして医師、看護師、調整員、事務スタッフを派遣し岡田小学校にて往診院内災害対策本部KuraDRO事務局DMAT本部医療救護班(DVTチーム)特別養護老人ホームでの支援マイクロバスでの避難所巡回被災者受け入れ(救急外来)真備町での ボランティア活動1日中頑張っても全く状況が進んだ気がしない現実に向き合い、長期間にわたり心を寄せることの重要性を実感した。幼稚園での託児ボランティア夏休みの幼稚園を使用して、医療短期大学の学生たちが、毎週末、託児ボランティアを行った。託児があることで家族が安心して片付けを行えるように、そして、被災地の子どもたちの笑顔を支えるために活動した。

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