川崎学園 創立50周年記念誌
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Ⅴ このさきも185—川崎医科大学附属病院——川崎医科大学総合医療センター— 川崎医科大学附属病院は、倉敷市にある特定機能病院として、これからも先進的かつ高度な医療を提供し、地域の皆さんに貢献したいと思っております。病院理念の一つである「24時間いつでも診療を行う」ため、全診療科を挙げて救急医療に当たっている高度救命救急センターでの診療活動は、当院の診療の原点ともいえます。 全国で初めて導入したドクターヘリは、今や救急医療に必要不可欠な存在です。また、そのほかにも、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、エイズ治療中核拠点病院など、地域医療を支える重要な拠点としての役目があります。 すべての診療科領域における遺伝医療や遺伝カウンセリングを行う遺伝診療部の開設や、治験・先進医療センターの開設、がんゲノム医療連携病院指定などによって、より高度な内容の診療や検査、医師主導治験・企業治験の実施を推進しております。大学病院、特定機能病院として新しいことに挑戦しながら、患者さんの治療の発展に貢献できるよう努め、県内外の病院や診療所、介護施設等の医師やスタッフの方々ときめ細かく連携・協力していくことが、今後ますます重要になるでしょう。■ 安心して暮らせる医療環境づくり—かわさきこども園— 少子化が進む中、子どもたちをしっかり育てることが重要と考え、2005(平成17)年、医療短期大学に、医療に強い保育士を養成する「医療保育科」という、全国的にも珍しい学科を開設しました。  大切なお子さんをお預かりし育てるために、保育士が医療の知識を持つことは非常に重要なことです。医療保育科では、病児保育、発達障害児保育など、専門性の高い知識を有する保育士を養成してきました。2017(平成29)年に、医療福祉大学「子ども医療福祉学科」へと発展的に改組したのも同じ思いです。 臨地実習の場として、附属病院に医療保育室を立ち上げていましたが、2018(平成30)年には、かねてよりの念願であった幼保連携型認定こども園「かわさきこども園」が開園しました。保育士、幼稚園教諭を目指す学生のみならず、看護、心理、栄養などさまざまな分野の学生にとって“子どもを育てる実習の場”となることを願っております。■ 子どもにも学生にも良い環境をを期待しております。 将来の良き医療人、医療福祉人を目指すに当たって、学生の健康管理、食事も重要です。そのため、それぞれの寮に新しい学生食堂を開設しました。 2016(平成28)年に開院した川崎医科大学総合医療センターがこれから目指すのは、前身の川崎病院が地元の方から親しまれ、必要とされてきたように、“地域に密着した病院”としての役割を継続して行っていくことです。 旧深柢小学校跡地活用をめぐっては、地域の皆さんから1万人を超える署名をいただき、心が熱くなりました。皆さんの支えによって、スタッフが力をいただき、総合医療センターの開院へつながったのだと思っております。全員一丸となって、診療の充実と移転・開院を同時にやり遂げたときの思いを忘れることなく、皆さんの思いに応え、安心して暮らすことのできる医療を提供し続けたいと思っております。 地域包括ケア構想が整備される中、在宅療養支援が重要となってきております。2019(令和元)年、「訪問看護ステーションかわさき」と「居宅介護支援事業所かわさき」を立ち上げました。また、総合医療センターは、附属病院と同様に大学病院としての高度な医療提供と、それを担う人材の育成が重要な使命です。岡山市中心部という立地で、充実した環境のもと、創設者である祖父が思い描いたように、“患者さんから信頼される”総合医、多職種連携のできる医療福祉人を育てていきたいと考えております。野菜に水やりする子どもたちこのはな寮 学生食堂

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