川崎学園 創立50周年記念誌
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31良医育成のために川﨑誠治三代目理事長志をつなぐ 医科大学では、現職時代の危機感から、一人でも多くの臨床能力の高い医師を世の中に送り出すことが急務であると、臨床教育研修センターの立ち上げなど教育環境の充実に努めながら、「良医」を育てることに力を注いでいる。 急速に進む医学の進歩、医療ニーズの変化に合わせ、例えば解剖実習を第1学年からの開始に変更するなど、医学教育カリキュラムの全面的な見直しにも取り組んだ。また、「新生児医学」「脳卒中医学」「救急総合診療医学」「認知症学」など、新しい教室を次々につくり、医学教育の充実を図った。 また、受験生の多様なニーズに応え、有為な学生を受け入れるため、入試の改革にも取り組んだ。医科大学では、中四国唯一の私立医科大学として地域の医療に貢献する人材を育てたいとの思いから、入学試験に岡山県枠、中国・四国地域出身者枠など独自の地域枠を設けた。 そして大学院では、病院で診療業務に従事し、専門医の資格取得を目指して研究を行う医師のために、在職しながら大学院への進学が可能な「大学院在職進学制度」を設けた。 2007(平成19)年に新設した「臨床教育研修センター」には、附属病院の病棟を実習用に完全再現した「模擬病棟」があり、充実した環境の中で学園内外のさまざまな職種のスタッフや学生が、良き医療人を目指して多岐にわたった研修を行っている。 臨床教育研修センターの事業の一つとして、2012(平成24)年から、柏原直樹センター長が中心となった「川崎塾」を開催。「明日の良き医療人」の育成を目指し、すべてのメディカルスタッフを対象に、コミュニケーション能力をはじめ、接遇、コーチング等、チーム医療の現場で必要な態度、スキル、理論を学んでいる。臨床教育研修センターと川崎塾column‒3模擬病棟での臨床実習看護師プリセプター研修川崎塾卒業、退職しても学園とともに―KAWASAKI CLUB―column‒2 誠治は、副理事長時代の2007(平成19)年、学園の卒業生と退職職員の生涯学習・生涯教育支援を目的に、KAWASAKI CLUBを発足させた。現在約5万人の会員はホームページや広報誌「KAWASAKI CLUB NEWS」を通じて、各種講演会・セミナーの案内や、学園の最新情報を受け取ることができる。 翌年には、附属病院の8階に、会員だけが利用できる学びと寛ぎの空間「KAWASAKI CLUB ラウンジ」を設置し、会員同士の交流を図っている。KAWASAKI CLUB ラウンジ

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