川崎学園 創立50周年記念誌
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60火災事故と「学園防災の日」「川崎医大病院で火災」     山陽新聞 1997年1月21日付より抜粋  20日午後0時25分ごろ、倉敷市松島577、川崎医科大付属病院の本館東棟(鉄筋コンクリート17階建て)で、16階天井から煙が出ているのを職員が見つけ119番通報した。 倉敷市消防局などから消防車24台が出て消火にあたった。同棟5階から17階までの配管・配電線室内の電線などを焼いたが、約2時間後に消し止めた。入院患者ら約1500人が屋外などへ避難したが、けが人はなかった。倉敷署や同消防局などによると、配管・配電線室の内部には電線のほかガス、上下水道管などが入っている。5階付近の電線が特に燃えており、同階から出火、階上へ燃え移ったとみられる。(以下省略)火災発生 ーその時学園ではー 当日は全体で798人、火元に近い東病棟に252人が入院していましたが、駆け付けた医師が看護師と連携して患者の重症度などを確認し、東病棟の患者から順次避難しました。スタッフが冷静沈着に対応したため、パニック状態にはなりませんでした。患者の避難には医師・看護師だけでなく、部署や職種に関係なく職員が協力し合い、現代医学教育博物館(MM)や総合体育館、一部は屋上へ搬送・誘導しました。また、多くの学生が率先して避難誘導に加わり、患者を担架に乗せたり背負ったりして、非常灯の明かりを頼りに階段を何度も上り下りしました。 14時35分に鎮火した後、入院患者のうち約150人は体育館とMMで一夜を過ごしました。附属病院医師・看護師50人が泊まり込み、川崎病院と旭川荘からの応援看護師や、医療福祉大学・医療短期大学の教員も白衣で患者に付き添いました。翌朝7時過ぎには電気系統が仮復旧し、9時過ぎには外来診療を通常通り開始。午後には体育館等に避難していた入院患者も全員病室へ戻りました。患者の避難場所となった総合体育館ふるさとの森からの急な坂道を慎重に患者搬送1月20日を教訓に「学園防災の日」制定 「火災事故を二度と起こしてはならない」との共通認識のもと、2013(平成25)年、事務職員提案により「学園防災の日」が制定されました。火災事故に対し、死傷者を一人も出すことなく対応できたことを貴重な経験として、防災や危機管理意識の啓発向上と具体的な対策を図ることを目的としています。毎年1月20日には懸垂幕を掲げ、職員・学生へあらためて注意喚起し、防災訓練にも力を入れています。職員玄関に掲げる懸垂幕Kawasaki Gakuen Episodes

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