川崎学園 創立50周年記念誌
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Since 197川崎医科大学附属病院67検診車Time travel ~歴史を感じる懐かしい写真~玄関ホール(右:下足室)CTスキャナー総合診療部のはじまり(現 総合診療科) 総合診療部は、1981年4月に、わが国で初めてのプライマリ・ケア医を養成するための部門として開設された。総合診療部では、病名のはっきりしない初診の患者を引き受け、今までの病歴を尋ね、精密な診察を行い、病気の正体をつきとめ、最も妥当な専門科に回した。そのため、患者にとっては安心・便利に診察を受けることができ、開設したばかりにもかかわらず、大変好評であった。 病院長の直下に医療安全管理部を設置し、医療安全管理室を中心に、組織横断的な立場から問題点を把握し、インシデントや事故発生報告等への対応、職員への医療安全教育、安全対策の立案・実施および評価等を行っている。高難度新規医療技術や未承認新規医薬品等の提供や使用に対しては、評価および使用の適否を審査するための部門を設置し対応している。また褥瘡対策室により、入院患者に対する褥瘡リスクのアセスメントや褥瘡予防、対策に取り組んでいる。 感染制御の取り組みとしては、感染管理室のもとで、院内感染対策チーム/ICT(Infection Control Team)による院内ラウンドや抗菌薬支援チーム/AST(Antimicrobial Stewardship Team)による抗菌薬適正使用に関する介入・支援等を行っている。また地域の指導的立場として、連携医療機関向けのカンファレンスを定期開催し、感染対策に関する情報提供、各種相談やICTラウンド見学の受け入れにも積極的に対応している。 当院は、最先端の高度医療技術の開発や評価にも取り組んでいる。医師主導治験について、2013年から実施体制を構築し、医師が日常の医療現場において開発の必然性があると判断した研究が日夜続けられている。これらは医科大学で見いだされた基礎研究の成果を、目の前の患者がその恩恵に預かることができるように医師自ら治験を立ち上げたもので、難病に苦しむ患者やがん患者を対象とした複数の事例で成果を挙げている。2017年には「治験・先進医療センター」を立ち上げた。医療安全管理および感染制御の取り組み -当院の医療安全管理体制-一人でも多くの命を救うための最先端の取り組み -治験と高度先進医療の推進-「医師主導治験」の事例・神経内科:「指定難病MELASを対象にしたタウリン散大量療法」(2013年~)・呼吸器内科:「固形がんに対する抗CCR4抗体療法第Ia/Ib相医師主導治験」(2013年~)医療安全パトロール感染管理室コアミーティング人工呼吸器研修会連携医療機関によるICTラウンド見学

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