川崎学園 創立50周年記念誌
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 1970(昭和45)年、戦後初めて設置認可された私立医科大学の一つとして川崎医科大学が開学し、学校法人川崎学園のあゆみは始まりました。創設者川﨑祐宣による「人ひ間とをつくる 体をつくる 医学をきわめる」という建学の理念のもと、「良医育成」を目指し、「学校は学生さんのためにある」、「病院は患者さんのためにある」という揺るぎない思いとともに、その一歩を踏み出したのです。 川崎医科大学と川崎医科大学附属高等学校の開設までの道のりは困難をきわめましたが、周囲の支えにより祐宣は成し遂げました。また、そのときすでに医師とともに働くメディカルスタッフを養成することが必要不可欠と考えており、現在の医療の世界では当たり前のように使われている「チーム医療」という言葉も、50年前の日本で祐宣はすでに用いていました。そして、川崎医科大学の開学から間もない1973(昭和48)年に川崎医療短期大学、1974(昭和49)年にリハビリテーション学院を開設したのです。 臨床での実践力の大切さを説いていた祐宣は、1973(昭和48)年に川崎医科大学附属病院を開院しました。教育病院として、また、高度・先進的な医療を行う大学病院としての役割を果たしながら地域社会に貢献しています。 1991(平成3)年には、旭川荘の設立時から抱いていた「医療福祉」という概念を具現化するために、川崎医療福祉大学を開学しました。祐宣を支えた第二代理事長川﨑明德の先駆的な考えにより、医療や医療福祉に関わる多種多彩な分野の資格や技能を持った専門職業人の育成を目指した学科を次々と開設しました。今では、川崎医療短期大学で築いた歴史と融合しながら発展を続けています。 2016(平成28)年には、川崎学園のルーツである岡山市の川崎病院が川崎医科大学総合医療センターとして新たなスタートを切り、2018(平成30)年には、さらなる教育の場としてかわさきこども園が開園。さらに2022(令和4)年には、川崎医科大学高齢者医療センターという新病院が開院予定です。 「良医を育てる」ために創設された川崎学園は、医療福祉の総合学園へと成長し、この半世紀の間に、45,000人もの卒業生が巣立っていきました。 創立50周年という大きな節目を迎えた今、創設者が築いた建学の理念を踏まえながら、次の50年というこの先の時代に学園が向かうべき方向性を明確に示すため、「学園の理念」を「人ひ間とをつくる 体をつくる 医学・医療福祉学をきわめる」と定めました。創設者が必要性を説いた医療福祉をさらに充実・深化させるため、川崎学園は「医学・医療福祉学」へのあくなき挑戦をこれからも続けていく所存です。 最後に、50年にわたる川崎学園の発展のために尽くし、支えてくださった学園内外のすべての皆様、いつもあたたかく見守っていただいている地域の皆様に、心より感謝を申し上げます。川崎学園創立50周年を迎えて学校法人川崎学園 理事長5

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