ごあいさつ

 1970年、戦後初めて設置認可された医学部の一つとして、川崎医科大学及び学校法人川崎学園は開設されました。そして、創設者 川﨑祐宣の「人間(ひと)をつくる 体をつくる 医学をきわめる」という理念と、「学校は学生さんのためにある。病院は患者さんのためにある」という思いと共にその一歩を踏み出しました。

 現在、川崎医科大学、川崎医科大学附属病院、川崎医科大学総合医療センター、川崎医療福祉大学、川崎医療短期大学、川崎医科大学附属高等学校、幼保連携型認定こども園 かわさきこども園、専門学校川崎リハビリテーション学院を有し、2020年に創立50周年を迎えます。

― 大学は、50年たって初めて一人前 ―

大学は、
50年たって初めて一人前

 創設者 川﨑祐宣の傍らで、「学校法人」として川崎学園を創設し、教育及び診療活動の基盤固めとその発展に奔走、尽力した学園長(前理事長) 川﨑明德は、常々この言葉を口にしてきました。建学の理念、中でも「人間をつくる」の成熟には絶え間ない努力を必要とするからです。私どもはその言葉を肝に銘じ、各施設が緊密な連携のもとに、人間性豊かな良き医療人の育成を最大の目的とし、優れた医学教育と質の高い医療の提供を通じて、医療と教育の分野で社会へ貢献してまいりました。
 半世紀の間、目まぐるしく変化する社会情勢と厳しい時代の中で、常に時代の先を読み、工夫を重ねることで、しなやかかつ堅実に、前へ前へと歩みを進めていきました。そこには、人を大切にする精神と学園の伝統ともいえる堅いチームワーク、そして地域の皆様の温かいご理解とご支援がありました。これこそが川崎学園の財産、宝だと思っており、感謝の気持ちで一杯です。
 そして「50年」たった今、医科大学、医療福祉大学、医療短期大学をはじめとする各施設の卒業生は延べ40,000名を超えました。本学園を巣立った一人一人が、それぞれの現場でそれぞれの役割を果たし活躍していることを心からうれしく思います。その活躍する姿こそが、大学として「一人前」になれたことを物語ってくれているのではないかと思っております。

 創立50周年を節目に、50年の宝を胸に抱き川崎学園は新たな一歩を踏み出します。建学の理念と学園創設時の「かわらぬ思い」、そしてご支援頂いた全ての皆様への感謝の心を忘れることなく、これからも医学・医療・医療福祉の充実発展に貢献し、皆様と共に生きる学園づくりに精進し、更なる高みを目指してまいります。
 今後とも本学園に対し、ご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げ、創立50周年の御挨拶とさせていただきます。

学校法人川崎学園 理事長
川﨑  誠治